でんこ様より



あの「ster anise」のでんこさんですよ!いいでしょ〜〜!
すんごい素敵でしょう〜〜〜。
3333HITのキリ番記念に頂きました。「吸血鬼寿也」でリクエストをお願いしたんです。
特に深い意味があった訳で無く本能の赴くまま「見てみたいなー。」という気持ちで。
それをこんな素敵なイラストにして下さるなんて・・・・何度見ても溜息が出るくらいうっとり。
このイラストを見ていたら、無性に文章が書きたくなってしまい思わず駄文をでんこさんに押し付けてしまいました。


『白い月』


「寿・・・也?」


何の変わりもない。
いつも通りの夜。
白く光る月がやけに眩しい。
なのに。

何が違う?この違和感はどこから来る?


肌の色が透けるようで、まるで体温を感じさせない。
瞳はガラス玉のように光を反射させるだけ。
俺の姿さえ、その心に届くのか。


お前は寿也であって寿也じゃない。
寿也の姿をした化け物だ。

なのに見えない鎖に縛られ、微笑みながら近づく寿也から逃れることが出来ない。
白く月を写すその瞳に体を縛り付けられる。

お前は一歩一歩近づいてくる。

「いい子だね、吾郎くん。
もう君は分かっているんだよね。
君はね、
僕のものになるんだよ。

・・・少し怖いのかな。
いいんだよ、そのままの君で。

その恐怖心が高揚への媚薬になるんだから。」



目の前まで近づいた寿也の視線が不意に外れ俺の肩越しに立った。

肩が触れそうで触れない距離。
息が苦しい。
俺から触れてしまえば、その実体はないのかもしれない。

そう思っても、指先すら自分の思うように動けない。

・・・いや、俺は動かないのか?

その瞬間。
冷たい指先が首筋に触れた。
首筋から髪をかき上げるように指を滑らせる。
それは冷たさなのか熱さなのかさえ分からない。


やっぱり、こいつは人間なんかじゃない。
その指先から、寿也のぬくもりを感じることは出来なかった。

それでも。


俺はこのガラスの瞳の奥にいる寿也に抗うことは出来ない。
お前はきっとそこにいる。


「愛しているよ、吾郎くん。
1つになろうね・・・。」






俺が聞いた最後の言葉。

首筋に寿也の牙が突き刺さる。
痛みなのか悲しみなのか。

これがお前の愛、なのか?


ならば、俺はそれを受け入れる。

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更にでんこさん、続きのマンガを書いて下さいました。
本当にお優しい方ですよーーーー!涙
・・・・腹上死するかと思いました。心臓鷲づかみです。
是非是非見て下さい。