茂ちゃんの呟きにはっと顔を上げた。
びっくりしたまま顔を見詰める。
茂ちゃんは、ちょっとおどけて、でも寂しそうに笑っていた。
「けっこう、気に入っていたのにな、この包帯」
そして視線を落とし、床に落ちた包帯を見た。
僕はなんて言ったらいいのか分からないまま、茂ちゃんの視線に釣られてその包帯を見る。
どんな気持ちで茂ちゃんがこんな事を言っているのか分からない。
「修ちゃんの辛そうな顔を見るのもちょっと好きだった」
ちょっと悪戯そうに笑って茂ちゃんは言った。
「あっ、ひっでーー!人が本気で悩んでたのに!」
思わず抗議すると茂ちゃんは真面目な顔になって
「だからうれしかったんだ」と言った。
「修ちゃんが僕のことにこんなに必死になってるって分かって――――ありがとう」
「うん。」
茂ちゃんはこれからも僕の大事な友達だ。
<変わらぬ友情> end
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