螺旋
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君を愛しいと思うこの気持ちは、何処から来るんだろう。

君のひたむきさ、眩しさ。

いつだって君はそうだ。純粋に野球を愛し家族を愛し、自分を愛する。

そんな君だから惹かれる。




でもそれはどこか恐怖でもあった。

そんな君を心の何処かで妬む気持ち。

僕は家族を愛しているのか?

僕は自分を愛しているのか?



自分の中にそんな感情があることが許せなかった、認めたくなかった。

拭っても拭いきれない自分の中の感情が耐えられなかった。

君に惹かれる気持ちと同時に自分自身を愛せなくなる。

螺旋のように絡まって解けることはない。



そんな僕に君はいつでも偽りのない笑顔を無防備に向ける。

なんの疑いも持たずに。




僕は自分で自分を愛せないから。

それが解かっているから、君を求めてしまうのかな。

それは歪んだ感情なのかな。

眩しすぎる光はその影も色濃かった。


目が眩むような、僕の中に眠る衝動。

君を壊してしまいたくなる。




こんな方法しか僕は出来ない。

間違っている。

解かっている。

愚かだ。

解かっている、それでも。




僕は君に手を伸ばす。

きつく縛り上げられたその体を美しいと思う。

潤んだ瞳が僕の衝動を揺さぶる。

ゆっくりと僕の口で君の口を開かせる。

柔らかな君の唇の合間から僕は舌を差し込ませる。

僕等の唾液が混ざり合う。

ゆっくりと味わうように君の口内に舌を這わせる。

口の中で君の呼吸を感じる。深い深い呼吸。

時折君から漏れる声が愛しい。

このまま君の息使いを感じていたい。

僕等は今、ひとつかな・・・。





君は強いから。

こうやって僕を受け入れてくれるんだね。

その強さに僕は溺れているんだろう。



二人で出来る事、全部しようよ。

僕等に出来る事・・・・・。

全部試そうよ。








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