些事
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寿也視点





「・・・・正直、君のそんな姿、僕は見たくなかった・・・。」




僕は小さな声でそんな言葉を浴びせてみる。

打ちひしがれた君の姿。



・・・・・トクン

心臓の小さな鼓動を感じる。



「・・・・君にとって僕は一体何なの・・?」

少し俯き、君から顔を逸らせる。


君は目を見開き、僕の顔を凝視しているんだろう?





・・・・トクン


僕の鼓動が少しずつ動きを増す。

心の中の水面はざわめきを増していく。


幼い子供がまるで新しい玩具を手に入れた時の様だね。

今、僕は、君を意の中に収める。

ほら、

僕から逃げてごらんよ・・・・・。




少しの沈黙の後、君は言った。

「自分でもどうしようもなかったんだ、

こんな事、お前にだって言える訳ないだろ・・・・。」




君は可愛いね。

僕は何時だって君の球を受けているんだよ。

君の情熱、喜び、苛立ち、怒り、

そして欲望だって、全て、この体で受け止めている。

何時だって君を感じているのにね。

君はそれを知らないんだ。


「そうやって君は僕から目を逸らそうとするんだね・・・。

僕の気持ちも知らないで。

存在を無視される事ほどつらい事はないのに。」






何処からが誘導で、何処からが本心か解からない。

・・・あぁ、全て僕の本心かな・・・・。

結局、僕の心は君に乱されてばかりだ。







続き