些事
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吾郎視点







どうしていつもこうなるんだ。




お前のそんな顔を見たくない。

そうやって、お前は一人何処かを見ている。

お前の情熱は時に内へ内へと向かっていく。

そうして自分を追い詰める。





・・・・・そして、原因はいつも俺だ。

本当はいつでもお前の安らいだ顔を見ていたい筈なのに。

どうして、こうなるんだ・・・。



「・・・・・僕の前でしなよ。

僕が見ていてあげるから。

僕はね、君の全部を見たいだけなんだ。」





思いも寄らない言葉に息を飲んで寿也の顔を見た。

思い詰めた様な寿也の表情。

お前は本当にそれを望んでいるのか?

それで、満たされるのか?


でも・・・・俺は・・・・そんな事・・・・。




激しい羞恥心から思わず寿也から強く顔を逸らせ、歯を食いしばった。

無意識に顔が火照る。

そんな事、いくらお前の前でも出来ない・・。

感情の答えは1つだった。

なのに心の何処かで解かっている、俺はお前に抗えない事を。



寿也がベッドに近づいて来た。

俺は顔を逸らしたままの姿で動けずにいた。

無意識に体が小刻みに震える。


ゆっくりと、ベッドのはしごを登り近づくと、俺の体を跨ぎ馬乗りになった。


「・・・・君のそんな姿を見れて僕は本当に嬉しいよ。

吾郎君・・・恥ずかしいかい?

・・・・ほら、駄目だよ。僕にちゃんと可愛い顔を見せなくちゃ。」




寿也の指が軽く俺の顎に触れた。

肩がびくっと激しく揺れる。

そのまま寿也の唇に口を塞がれた。

有無も言わせない息苦しいキスだった。




全て寿也の思惑通り、なのだろう。

頭で分かっていても体は無関係に反応を示してしまう。

いつの間に熱を帯び、硬くなった物の上に、

寿也は俺の手を取るとそっと触れさせた。







「見ててあげるよ・・・吾郎くん。」




続き